2020年4月3日金曜日

秋月で売っている LED 基板で UV-LED ランプを作ってみた

LED 基板に電源専用 USB micro-B メスコネクタを嵌め込む

おゆまる+UV レジンでキーキャップを作ってみた のだけど、まだまだお試しと思っていたので、硬化については、天気頼みの太陽光を使っていた。

翌日の天気予報を確認してから、夜寝る前に、軸の部分にレジンを入れて東向きの窓際に置いておき、朝起きたら、上型にレジンを入れて下型と合わせて閉じ、南向きの窓に置いておく。

晴れたら問題なく硬化するんだけど、曇りだとイマイチだし、何しろ1個硬化させるのに1日かかる。数作るには、型自体も量産しないといけなくなる・・・。

(ちなみに、意外と役に立ったのは、むか〜しに買った 100 均のマジックライト。これでも多少は硬化するので、レジン表面の仮硬化ぐらいには使える。)

おゆまるキーキャップからステップアップするなら、シリコン型に移行するのはもちろん、UV LED ランプも手に入れねばならない!(いや、そもそもそこまでやるのか?)

迷いながらも、秋月電子のサイトを見てみたら、そのものズバリの製作例があった!!

片面丸型LED用ユニバーサル基板 32mm の UV-LEDライト製作例

本当に使うかどうかは置いておいて(こら!)、とりあえず無駄に作りたくなってしまった。同じく LED 用の基板で、ペットボトルのキャップサイズというのもあって、何かそれを使っても作ってみたい!

両面TH丸型ユニバーサル基板 27mm (ペットボトル基板)

ということで、作ってみたいだけで作ってみた(笑)


UV LED ライト用基板 その1


秋月の上記の基板は、放射状+中央の 7 個の LED を取り付けられるようになっている。作例を見ると、1/4W の抵抗と、電源線を直付けしている。

今回は、電源は USB から取りたい。

抵抗もチップ抵抗にすることにして、USB の 5V に合わせて、抵抗値は 75Ωにする。秋月の通販だと、75Ωのチップ抵抗は 3216 サイズしか見当たらない。デカい。けど今回は電流も流れるからちょうどよいか。

電源線も、できたら USB コネクタで受けたいと思って、電源専用の USB micro-B メスコネクタも注文してみた。届いてみると、実際、コネクタの足をほんの少し内側に傾ければ、最外周のパターンに嵌めることができた(冒頭の写真)

でも、それだと LED が1灯減ってしまう。

そこで、反対側のパターンの一部をドリルで切断して、1灯追加することにした。そして、何となく丸っこくなるように配置。

中央上部のチップ抵抗のすぐ上の丸い穴がパターンの切断位置

せっかくなので、ハンダ面はクリアレジンで覆っている。USB コネクタの金属部分は覆っておらず、ここは USB の電源ラインが丸出しになっているので取扱注意だ!(そういうなら絶縁しろ)

何となく丸く配置(シルクをガン無視)

あと、点灯時には基板がそこそこ熱を持つようだ。UV LED 1灯あたりの電流は 20mA のようなので、7灯で 140mA。USB の電流容量的には問題なさそうだけど、放熱的にはレジンで固めるのがいいのかどうかよく分からないまま、絶縁と固定を優先している。

また、UV LED の波長には、今回は作例通りに 375nm のものを使った。


UV LED ライト用基板 その2


う〜ん、せっかくなら、7灯と言わず、もっと点灯させたい!前回のように、基板の配線を切る前提なら、何だってできる?(普通にユニバーサル基板を使え)

ということで、2回目は、5箇所配線を切断して、合計11灯にしてみた。配置も、全て外側に並べてみた。

外側に10個+中央に1個の11個配置

今回は、中央の LED だけ 375nm で、周りは市販の UV LED ランプでよく使用されているらしい 365nm にしてみた。色味が若干変わるけど、レジンの硬化速度への影響まではよく分からない。とりあえずどちらでもそこそこ硬化はしているようだ。

数の都合上、中央のみ 375nm で外側は 365nm

両者比較


肉眼で見ると 365nm と375nm で色味に違いがあるのだけど、下の写真だとよく分からない。

USB で点灯中

ペットボトルのキャップ基板


ついでにペットボトルのキャップに入る基板も注文しておいたので、5mm の LED が並ぶように配置・配線を考える。キャップに入れるなら、ネジのところが干渉しないように、少し内側にしておく必要があるだろう。

周囲に余裕を持たせた LED の配置

3216 のチップ抵抗も置かないとね。最初はやはり、375nm の UV LED で作ってみた。

赤と黄色が電源線、青がチップ抵抗のつもり

しかし、作ってみると、思っていたよりもチップ抵抗のサイズが大きくて、空中配線になってしまった(汗)

チップ抵抗の場所が足りなくて、空中配線

今回もクリアレジンでハンダ面を固めてみた。あとは、ペットボトルのキャップにハンダゴテで穴を開けて、そこから100均で買ってきた電源専用 USB ケーブルを通し、基板にハンダ付けする。

ペットボトルのキャップに嵌め込む

そして、そう、上の写真のように、こちらも2個目を作ってみた。

2個目の配置図。チップ抵抗のスペースに余裕を持たせた

1個目の空中配線を反省して、抵抗がちゃんと着地するようにして、ワイヤーもうまく曲げるための治具を 3D プリンタで作った(いや、そこまでしなくても?)

ワイヤーの折り曲げ用治具

しかし、治具があっても、綺麗に折り曲げるのが難しいのはあまり変わらなかった。

2個目:1個目よりは整然としている?

1個目よりはなかなか良い感じになった!(と思う)

2個目の UV LED はやはり 365nm にした。

左:1個目 375nm、右:2個目 365nm

使うレジンにもよるけど、方向を変えながら数分〜十数分も当てていれば、大体硬化しているようだ。実際に使うときは、反射光も使おうと思ってお茶の缶に放り込んでいる。


おまけ:サッカーボール型鏡


UV LED ランプでも 100 均の UV レジン(UV LED 非対応のもの)はそこそこ硬化するのだけど、どうやら表面は最後までベタついてしまうらしい。ここはやっぱり太陽光の出番だ!(本当か?UV ランプ買えよ)

そこで、球面鏡で太陽光を受けて、表から裏からレジンに当てる、ということを考えてみた(思いついてしまったらしい)

球面鏡を作るのは大変そうだから、サッカーボール型なら作れるのでは?

いやいや、そもそも平行な太陽光線を集光するなら、回転放物面にしないとダメなんじゃ?でも調べてみると、回転放物面に斜めに平行光線が入射した場合は、一点には収束しないようだ。それなら始めから一点には集光しない球面でもよいだろう。むしろ斜め入射の時の集光具合は、回転放物面よりも優れているのでは?と勝手に合点したことにして、やはりサッカーボール型でいくことにしよう。そもそも多角形で回転放物面を作るやり方を編み出すのも大変そうだ・・・(要はサッカーボール以外はやる気出ないらしい)

ということで、最近使い始めた OpenSCAD で早速外枠を作る。何度も計算間違いをしていて、拡大すると5角形と6角形が綺麗につながっていないとかもあったけど、何とか全部直った。そして最終的には、5角形だけ作って、それらの凸包にすればよいと気付いた。


サッカーボール型鏡の外殻

思えば高校生の時に、1週間ぐらい考えて、厚紙で一部模型まで作って、四苦八苦してサッカーボールの頂点座標を求めたことがある。だけど、その後同級生に、対称性からあっさりと解かれてしまった時には、衝撃的に悔しかったことを憶えている。サッカーボールの中心を通る面で、断面が正十角形になるところがあるんだよね。でもそのおかげで今回は、それ以外の部分では間違えまくったけど、さっくりと scad を書くことが出来た。

3D プリントは 12 時間。サポート無しでも意外と綺麗に仕上がった。

サッカーボールの半分弱

あとは、カッターナイフで切れる鏡面シートを Amazon で購入して、A4 の紙に型をセブンイレブンで原寸大印刷して、それを貼り付けて切っていく。

結構分厚いので、切るのは大変

1%小さめに型を出したのだけど、貼り付け時にピッタリいかず、ちょっと余らせてしまった・・・。ドンマイ!(やり直しなさい)

あと、3つの角が合わさっているところは鏡面が少し歪むようなので、次回作ることがあれば、多角形を繋ぐのは2個までにした方がよさそうだ。

この後に作った初シリコン型で硬化中〜♪