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2020年5月6日水曜日

DMM.make で印刷したキーキャップでシリコン型を取ってみた

右端の4個が DMM.make で印刷したキーキャップ。その左側の着色キャップが UV レジンで複製したもの

KeyV2 をカスタマイズして逆 SA 風のキーキャップを作成し、3Dプリンタで印刷して、型を取ってUVレジンで複製し、キーボード1つ分のキーキャップを作ろうとしている。前々回

おゆまるでキーキャップを作ってみた

では、3D プリンタで出力したキーキャップの型取りをしてみた。だけど、FDM 方式の 3D プリンタだと、そもそもキートップ部分に積層痕が残ってしまい、指ざわが凸凹してしまう。側面はかなり綺麗に出来上がるんだけどね。

そこで DMM.make の出品を検索してみると、キーキャップセットもそこそこ出されていて、「MJF の PA12GB ブラック磨き」という素材がお薦めされていた。・・・と思っていたら、2020年の 3, 4月は、DMM.make で MJF の 20% オフキャンペーンが行われていたので、今がチャンス?!と思って試してみた。


1.親指用鞍型キートップ+いつものサイズで出力


KeyV2 では、キートップを凸に盛り上げるか、凹にくり抜くかを選べる。人差し指から小指までの4本については、キートップを凹ませておくと、指の位置が指先の感覚で分かってちょうど良い。

一方で、親指キーについては、キートップが凹んでいると、親指の横側面がへりの角に当たって、長時間使っていると少し痛くなってくる。そこで、親指キーキャップには、凸に盛り上げたものも試してみた。でも実際に使ってみると、親指への当たりは確かにかなり柔らかくなったんだけど、今度は、親指がキーの上でどこにいるのか、横方向の位置が分からなくなってしまった。

う〜ん、両者のいいとこ取りをして、鞍型がいいんじゃないか?!と思って OpenSCAD のドキュメントを探してみたけど、そのものズバリの関数はないようだ。


鞍型キートップ


そこで、鞍型面は二次曲面なので、円を並べて 凸包を取ることで、近似的に鞍型を実装してみた。

鞍型キートップ
OpenSCAD のソースコードはこちら。
https://github.com/orihikarna/KeyV2/blob/master/src/dishes/saddle.scad

gist-it.appspot.com の埋め込みでは綺麗に入らなかったので、コピペ(汗)

module saddle_dish(width, height, depth, inverted) {
    $fa = 4;
    direction = inverted ? 1 : -1;
    hdepth = depth / 2;
    radius = height * height / (8 * hdepth) + hdepth / 2;
    xdivs = 16;
    dx = 1 / xdivs;
    intersection() {
        translate( [-width, -height, depth * (direction - 1)] )
            cube( [2 * width, 2 * height, 2 * depth] );
        translate( [0, 0, - direction * radius] )
            union() {
                for (nx = [-1:xdivs-1+1]) {
                    x0 = -0.5 + dx * nx;
                    x1 = -0.5 + dx * (nx + 1);
                    hull() {
                        translate( [width * x0 - 0.01, 0, direction * hdepth * ((x0 * x0) * 4 + 1)] )
                            rotate( [0, 90, 0] ) cylinder( dx / 8, radius, center = true );
                        translate( [width * x1 + 0.01, 0, direction * hdepth * ((x1 * x1) * 4 + 1)] )
                            rotate( [0, 90, 0] ) cylinder( dx / 8, radius, center = true );
                    }
                }
            }
    }
}

これは何をしているかというと、まず Google Calculator で \(z=x^2-y^2\) という鞍型面を表す関数を描画してみる。

z=x^2-y^2 の鞍型面

ここで各 \(x=x_0\) を固定して y-z 面で見てみると、\(z=x_0^2-y^2\) という放物線になっている。

この放物線を円に置き換えて、x 軸方向に dx 間隔で並べて配置し、隣同士を hull() で閉じている。100円玉のような円板をたくさん重ねて、放物線の形に少しずつずらして並べたようなもの。あえて式で書くなら、\((z-x^2)^2+y^2=1\) となる。この上半分を同じようにプロットすると、

z=sqrt(1-y^2)+x^2

と、ここだけ見れば、鞍型面に近いものになっている。

あとは、幅と奥行きと高さの設定に合わせて、円の大きさや放物線の係数を調整すると、先ほどの scad コードになる。


DMM.make へ発注!


普段の 3D プリントでは軸のプラス穴のサイズ決めに一番苦労したので、DMM.make でも、まず、1.25mm、1.35mm、1.45mm の3種類で出してみた。違いが分かるように、キートップに、無印、○、ー、の刻印を入れておく。

発注した STL

PA12GB ブラック磨きで、1uが8個と1.25uが3個で3,403円。送料込みの固定費を除くと、1キー当たり100円前後のようだ。

1週間ちょいで到着したけど、到着前に、細いところが再現出来ませんでした、とのメールを受け取る。ふむ?と思ったら、普段の 3D プリンタ用のサポートが残ったままだった。でもこれはニッパーで切れば、問題なし!というより、こういう風に再現されるのかぁ、という感じ。細くてもそこそこ強度がある。

細すぎてクニャリと曲がったサポート

そして、出来上がりの全体像。

逆SA風なので、左側が上段キー

鞍型面の仕上がりはこんな感じ。

親指用 1.25u 鞍型キートップ

既に試していた通りの形だけど、キートップに積層痕がないので、より滑らかな指触り。


軸穴のサイズ


さてさて、では、キースイッチに取り付けてみると!?

どれもこれも軸穴がガバガバのスカスカで、まったく使い物になりませんでした(涙)

だけど、硬さがあり、重みもあり、肌触りも悪くなく、これで1つ当たり 100 円なら、全然アリだと思える仕上がり。この素材感には大満足!

ちなみに、軸穴のサイズをノギスで 0.05mm 単位で測ってみると、こんな感じだった。R0 と書いてあるのは親指キー。プラス穴の縦横幅を3パターン変えている。

  • 4.3mm x 1.25mm

キー長幅短幅
R04.401.35

  • 4.4mm x 1.35mm
キー長幅短幅
R04.501.40
R14.451.45
R24.501.45
R34.501.45
R44.451.45

  • 4.5mm x 1.45mm
キー長幅短幅
R04.551.50
R14.551.50
R24.551.55
R34.601.50
R44.601.50


軸部分は薄いからか、穴のサイズは常に広がる方向で、最大でも0.1mm 程度の広がりのようだ。


2.軸穴を攻める


ということで、次は軸穴サイズを変えてやり直し。プリンタが変わると調整やり直しなのは、まぁ仕方ないですね。

前回、1.25mm でも結構緩かったので、今回は、1.05mm、1.10mm、1.15mm、1.20mm の4パターンで出してみた。違いが分かるように、キートップに、無印、ー、=、≡ の刻印を入れておく。

上下向かい合わせにして空間費を節約(刻印は見えない)

今回も1週間ちょいで到着。

軸穴4パターン

軸穴はどうかと言うと、1.20mm と 1.15mm は、前回の1.25mm 程ではないけど、やはり緩い。1.10mm だとちょうど嵌るけど、若干緩いかも。1.05mm だと、ぐぐっと力を入れて押し込まないと入らない。

意外にも、1.10mm まで軸穴を細くしないと、緩かったようだ。スイッチによっても違いがあり、手元の Gateron の静音赤軸にはきつ目で、Kailh 系のスイッチには緩めのようだ。


初シリコン型取り!


そして今回は、このキーキャップを使ってシリコンで型取りし、UVレジンで複製を試してみた!初シリコンで、ブロックとか精密スケールとか真空容器とか色々手間取って面白い。

でも、その結果は・・・。

「PA12GB ブラック磨き」のブラック塗装がシリコン型にもレジンにも色移りして、薄紫色のキーキャップになりました(涙)

左下が DMM.make、上が黒が色移りした透明シリコン、中央下は緑着色レジン、右下はクリアレジン

あと、軸穴は 1.10mm で出したものを使ったのだけど、最終的にレジンで複製したものだと、かなり緩々の軸穴になってしまった。型取りには 1.05mm ぐらいが良さそうだ。


2.5.3月中にもう一つ!


MJF の 20% オフキャンペーンは、最初は3月だけだったので、駆け込みで 2u 親指キーキャップを作って発注してみた。(実際は、4月もキャンペーン継続になった。)

KeyV2 では、2u 以上だと、スタビライザー用の軸も出るようだ。スタビライザーの間隔はちょうど 12mm になっている模様。

普段使い用に実用品として駆け込み発注(2uは右奥)

でも写真撮るの忘れていた・・・。キーキャップ自体は職場のキーボードに付いていて、ただいま新型コロナのリモートワーク中なので、実物が手元にない・・・。


3.それなら塗装無しナイロンで!


そして、諦め切れない型取り用キーキャップ。いやしかし、DMM.make で出したモデルなら、複製に耐えうるだろうと思って始めたのに、まさか塗装でこけるとは・・・。

う〜ん、それなら次は、塗装無しを試そう!

と言うことで、より安価のナイロン素材を試してみた。型取りにしか使わないのなら、軽い素材で出しても問題ないしね。

こちらの素材での軸の出方も分からないので、1.05mm から 1.12mm まで、0.01mm 刻みで8バリエーション作ってみる。刻印はドットとコロンで点の数を入れてみた。

ナイロン40キー

届いたもの。

キートップに積層痕・・・。

キートップに積層痕がある?!

ガツカリ・・・(よく調べてから注文しようね)

振り出しに戻る。

キーキャップ自体は軽い感じで PA12GB のような重厚感はない。だけど、とりあえず普段使いして、高さや傾きを確認するのには使えそう、といった感じ。

軸穴サイズについては、1.05mm、1.06mm、1.07mm の辺りはきつくて入らない。1.08mm から使える感じだった。

MJF ほどのトキメキは無かったので、早々に次へ・・・。


4.そしてグラファイトへ


さらに他の素材と言っても、やっぱりナイロンと MJF が一番お手頃っぽい。それなら、最後に PA12GB で、塗装無しのナチュラルと、グラファイト磨き、というのを試してみることにした。

シンプルに8キーを、ナチュラルとグラファイト磨きで発注

軸穴は 4.05mm x 1.05mm に設定。

ナチュラル

ナチュラルは、表面がザラザラとしている。あまり型取りには向かなそうだ。

グラファイト磨き

一方のグラファイト磨きは、表面はブラック磨きとあまり変わらない滑らかさ。色はブラックからダークグレーになるけど、自分としてはあまり気にならない。

ただし、軸穴の中に鉛筆の粉みたいなもの(これがグラファイト?)が残っていたので、実際に使うには、まず、つまようじとかで軸穴内を掃除した方がよさそうだ。今回のように型取りするならなおさら。

そして、グラファイト磨きの方をシリコンで型取りし、UV レジンで複製してみた。

シリコン型の硬化後

太陽光で硬化中〜

硬化完了〜

右手分量産完了〜

感想


グラファイトでも、多少の黒い粉がシリコン型に入り込む。それでもブラックの塗装が移り込む度合いよりはかなりましだった。あらかじめキーキャップにシリコン離型剤を塗っておくと、グラファイトの入り込みがより少ない。また、同じキーキャップで複数回型取りすれば、2回目以降はより入り込みが減った。

あと実は、毎回キーキャップの高さとか角度を微妙に調整していたのだけど、今回の最後のを使ってみると、最上列はもう少し高めにして、角度も急にした方が指が届きやすくて押しやすそうだと分かった。

しかし、カチャカチャいわずに、コトコトした感じの、

この重めの打鍵感と打鍵音、よき。






2020年4月3日金曜日

秋月で売っている LED 基板で UV-LED ランプを作ってみた

LED 基板に電源専用 USB micro-B メスコネクタを嵌め込む

おゆまる+UV レジンでキーキャップを作ってみた のだけど、まだまだお試しと思っていたので、硬化については、天気頼みの太陽光を使っていた。

翌日の天気予報を確認してから、夜寝る前に、軸の部分にレジンを入れて東向きの窓際に置いておき、朝起きたら、上型にレジンを入れて下型と合わせて閉じ、南向きの窓に置いておく。

晴れたら問題なく硬化するんだけど、曇りだとイマイチだし、何しろ1個硬化させるのに1日かかる。数作るには、型自体も量産しないといけなくなる・・・。

(ちなみに、意外と役に立ったのは、むか〜しに買った 100 均のマジックライト。これでも多少は硬化するので、レジン表面の仮硬化ぐらいには使える。)

おゆまるキーキャップからステップアップするなら、シリコン型に移行するのはもちろん、UV LED ランプも手に入れねばならない!(いや、そもそもそこまでやるのか?)

迷いながらも、秋月電子のサイトを見てみたら、そのものズバリの製作例があった!!

片面丸型LED用ユニバーサル基板 32mm の UV-LEDライト製作例

本当に使うかどうかは置いておいて(こら!)、とりあえず無駄に作りたくなってしまった。同じく LED 用の基板で、ペットボトルのキャップサイズというのもあって、何かそれを使っても作ってみたい!

両面TH丸型ユニバーサル基板 27mm (ペットボトル基板)

ということで、作ってみたいだけで作ってみた(笑)


UV LED ライト用基板 その1


秋月の上記の基板は、放射状+中央の 7 個の LED を取り付けられるようになっている。作例を見ると、1/4W の抵抗と、電源線を直付けしている。

今回は、電源は USB から取りたい。

抵抗もチップ抵抗にすることにして、USB の 5V に合わせて、抵抗値は 75Ωにする。秋月の通販だと、75Ωのチップ抵抗は 3216 サイズしか見当たらない。デカい。けど今回は電流も流れるからちょうどよいか。

電源線も、できたら USB コネクタで受けたいと思って、電源専用の USB micro-B メスコネクタも注文してみた。届いてみると、実際、コネクタの足をほんの少し内側に傾ければ、最外周のパターンに嵌めることができた(冒頭の写真)

でも、それだと LED が1灯減ってしまう。

そこで、反対側のパターンの一部をドリルで切断して、1灯追加することにした。そして、何となく丸っこくなるように配置。

中央上部のチップ抵抗のすぐ上の丸い穴がパターンの切断位置

せっかくなので、ハンダ面はクリアレジンで覆っている。USB コネクタの金属部分は覆っておらず、ここは USB の電源ラインが丸出しになっているので取扱注意だ!(そういうなら絶縁しろ)

何となく丸く配置(シルクをガン無視)

あと、点灯時には基板がそこそこ熱を持つようだ。UV LED 1灯あたりの電流は 20mA のようなので、7灯で 140mA。USB の電流容量的には問題なさそうだけど、放熱的にはレジンで固めるのがいいのかどうかよく分からないまま、絶縁と固定を優先している。

また、UV LED の波長には、今回は作例通りに 375nm のものを使った。


UV LED ライト用基板 その2


う〜ん、せっかくなら、7灯と言わず、もっと点灯させたい!前回のように、基板の配線を切る前提なら、何だってできる?(普通にユニバーサル基板を使え)

ということで、2回目は、5箇所配線を切断して、合計11灯にしてみた。配置も、全て外側に並べてみた。

外側に10個+中央に1個の11個配置

今回は、中央の LED だけ 375nm で、周りは市販の UV LED ランプでよく使用されているらしい 365nm にしてみた。色味が若干変わるけど、レジンの硬化速度への影響まではよく分からない。とりあえずどちらでもそこそこ硬化はしているようだ。

数の都合上、中央のみ 375nm で外側は 365nm

両者比較


肉眼で見ると 365nm と375nm で色味に違いがあるのだけど、下の写真だとよく分からない。

USB で点灯中

ペットボトルのキャップ基板


ついでにペットボトルのキャップに入る基板も注文しておいたので、5mm の LED が並ぶように配置・配線を考える。キャップに入れるなら、ネジのところが干渉しないように、少し内側にしておく必要があるだろう。

周囲に余裕を持たせた LED の配置

3216 のチップ抵抗も置かないとね。最初はやはり、375nm の UV LED で作ってみた。

赤と黄色が電源線、青がチップ抵抗のつもり

しかし、作ってみると、思っていたよりもチップ抵抗のサイズが大きくて、空中配線になってしまった(汗)

チップ抵抗の場所が足りなくて、空中配線

今回もクリアレジンでハンダ面を固めてみた。あとは、ペットボトルのキャップにハンダゴテで穴を開けて、そこから100均で買ってきた電源専用 USB ケーブルを通し、基板にハンダ付けする。

ペットボトルのキャップに嵌め込む

そして、そう、上の写真のように、こちらも2個目を作ってみた。

2個目の配置図。チップ抵抗のスペースに余裕を持たせた

1個目の空中配線を反省して、抵抗がちゃんと着地するようにして、ワイヤーもうまく曲げるための治具を 3D プリンタで作った(いや、そこまでしなくても?)

ワイヤーの折り曲げ用治具

しかし、治具があっても、綺麗に折り曲げるのが難しいのはあまり変わらなかった。

2個目:1個目よりは整然としている?

1個目よりはなかなか良い感じになった!(と思う)

2個目の UV LED はやはり 365nm にした。

左:1個目 375nm、右:2個目 365nm

使うレジンにもよるけど、方向を変えながら数分〜十数分も当てていれば、大体硬化しているようだ。実際に使うときは、反射光も使おうと思ってお茶の缶に放り込んでいる。


おまけ:サッカーボール型鏡


UV LED ランプでも 100 均の UV レジン(UV LED 非対応のもの)はそこそこ硬化するのだけど、どうやら表面は最後までベタついてしまうらしい。ここはやっぱり太陽光の出番だ!(本当か?UV ランプ買えよ)

そこで、球面鏡で太陽光を受けて、表から裏からレジンに当てる、ということを考えてみた(思いついてしまったらしい)

球面鏡を作るのは大変そうだから、サッカーボール型なら作れるのでは?

いやいや、そもそも平行な太陽光線を集光するなら、回転放物面にしないとダメなんじゃ?でも調べてみると、回転放物面に斜めに平行光線が入射した場合は、一点には収束しないようだ。それなら始めから一点には集光しない球面でもよいだろう。むしろ斜め入射の時の集光具合は、回転放物面よりも優れているのでは?と勝手に合点したことにして、やはりサッカーボール型でいくことにしよう。そもそも多角形で回転放物面を作るやり方を編み出すのも大変そうだ・・・(要はサッカーボール以外はやる気出ないらしい)

ということで、最近使い始めた OpenSCAD で早速外枠を作る。何度も計算間違いをしていて、拡大すると5角形と6角形が綺麗につながっていないとかもあったけど、何とか全部直った。そして最終的には、5角形だけ作って、それらの凸包にすればよいと気付いた。


サッカーボール型鏡の外殻

思えば高校生の時に、1週間ぐらい考えて、厚紙で一部模型まで作って、四苦八苦してサッカーボールの頂点座標を求めたことがある。だけど、その後同級生に、対称性からあっさりと解かれてしまった時には、衝撃的に悔しかったことを憶えている。サッカーボールの中心を通る面で、断面が正十角形になるところがあるんだよね。でもそのおかげで今回は、それ以外の部分では間違えまくったけど、さっくりと scad を書くことが出来た。

3D プリントは 12 時間。サポート無しでも意外と綺麗に仕上がった。

サッカーボールの半分弱

あとは、カッターナイフで切れる鏡面シートを Amazon で購入して、A4 の紙に型をセブンイレブンで原寸大印刷して、それを貼り付けて切っていく。

結構分厚いので、切るのは大変

1%小さめに型を出したのだけど、貼り付け時にピッタリいかず、ちょっと余らせてしまった・・・。ドンマイ!(やり直しなさい)

あと、3つの角が合わさっているところは鏡面が少し歪むようなので、次回作ることがあれば、多角形を繋ぐのは2個までにした方がよさそうだ。

この後に作った初シリコン型で硬化中〜♪






2020年3月15日日曜日

おゆまるでキーキャップを作ってみた




キーキャップの 3D プリント


先々週ぐらいに

KeyV2: Parametric Mechanical Keycap Library

という OpenSCAD で書かれたキーキャップライブラリを知り、試しに SA プロファイルのキーキャップを印刷してみたら、その重厚感と背の高さに「これはよい!」と思って、アルファベットと数字キーぐらいは、全部 SA プロファイルにしてみたくなった。

Drop で SA プロファイルのキーキャップセットがちょくちょく販売されているけど、結構な値段がするので、買おうと思ったことはなかったけど、いざ触ってみると、欲しくなる・・・。

しかし、実際に 3D プリントをしてみると、なかなかどうして、軸の部分の印刷が難しい。3D プリンタの設定を変えたり、軸のサイズを微妙に調整したりしてみたけど、

  • 軸部分の壁が薄くなり過ぎて、スライス後に軸が2つに別れる(※)
  • 壁を厚くするために、軸を太くすると、スイッチの軸受けに入らない
  • 十字穴を小さくしても、軸受けに入らない

という結果。

(※)後に、github の  KeyV2 のソースコメントを見てみると、軸部分が2つに別れるのは、実は意図的だったらしいと判明・・・。

そこで、軸が2つに別れない程度に太めに作っておいて、ヤスリで一つ一つ、スイッチに入るように軸を削る、という作業を行った・・・。

だけど、ミシッと音がしたな、と思ったら、スイッチに入れる前からもげたり、あるいは、無理に押し込んだ軸を抜こうとする時に根元で折れてどうしようもなくなる、といったことが後を絶たない・・・。

ミシッといったと思ったら、パキッともげる軸

もげて取り出せなくなった軸(左下)

これはやってられん!と思って、キーキャップの自作について調べてみたら、100均で揃うもので、複製ができるらしいと分かり、早速やってみた。これなら1つちゃんとしたキーを印刷して作れば、あとは量産出来るはずだ!?


1回目:まずやってみる!


とりあえず、近所のキャンドゥでおゆまるとクリアタイプの UV レジンを買ってきた。

そして、3D プリントした SA R1 キーの軸に、熱湯で柔らかくなったおゆまるを爪楊枝でグニグニ入れて、下の型を先に作る。上下の位置合わせが出来るように、爪楊枝を押し付けて、下型の表面を凸凹にもしてみた。

その後に、別の色のおゆまるを溶かして、上の型を作った。

おゆまるでのキーキャップ作りは、指先の火傷との戦いだ(笑)

黄色の下の型をまず作り、次に緑の上の型を押し付けて作成

冷やして固まった型を取り外すために、型をクルクル回しながら、少しずつグイグイ動かして、ちょっとずつ外していく。動画でこの作業を見たときは、何してるんだろう?と思ったけど、自分でもやってみてその理由が分かった(笑)ちょっとずつ剥がしていく感じ。

意外に軸の部分も千切れたりしないで、ちゃんと綺麗に抜けてくるから面白い。

次に、軸の部分とキートップの角っこがちゃんと出来るようにと思って、下の型には一杯まで、上の型には 1/4 程度レジンを流し込んで、日光で硬化させた。

下型にたっぷりと、上型に少しレジンを流して日光で硬化

これが固まったら、上型にさらにレジンを流し込んで、下型と組み合わせて、再び硬化させる。

硬化後。レジン入れ過ぎではみ出ている・・・。

そして、型を外す。この時も、型を回しながら、少しずつグイグイ外していく。

型から取り出したところ

バリが大量だ(笑)しかも側面の下 1/3 辺りという中途半端なところから、波打つようにバリが出まくっている。

裏側を見てみると、側面に大きな気泡があるのと、軸の底にも気泡があったみたいで、軸の底が欠けている。


裏側。大きな気泡が目立つ。軸も微妙〜

なるほど〜。下型が側面にはみ出るように作ってしまうと、上下の合わせ面がキーキャップの側面に出来てしまい、バリが側面から生えるようにできてしまうらしい・・・。

あと、軸には爪楊枝を使って丹念にレジンを流し入れたつもりだったけど、不十分だったようだ・・・。


2回目:下型は側面にはみ出ないように!


ということで、下型が側面にはみ出て行かないように、小さく作り直してみた。

青の下型が側面にはみ出ないようにした。緑の上型は薄過ぎた(汗)

下型を作る際に、おゆまるをキーキャップに押し付けると、横にはみ出ていくので、それを手前に丸める感じで引き戻す。何回かやって、ようやくこんな感じに出来た。

下型が綺麗に出来た!?

下型に前回の残りの青レジンを入れてみると、どう見ても上型には足りない感じだったので、赤レジンに切り替えた。100均の 4g のレジンだと、SA キーキャップ 1.5 個ぐらいがせいぜいのようだ。

出来上がりを見てみると、

気泡が目立つ(青レジンが途中で尽きたので、上型は赤レジン)

側面のバリは期待通りに無くせたようだ。だけど、気泡については、前回よりもむしろ酷い。

そうか、上下の型を密閉してしまっているから、型を組み合わせる時に、よっぽどうまくやらないと、気泡が残るらしい・・・。

あと、緑の上型のキートップ部分が薄くて、キートップが変形していた(汗)下型が下に引っ込んだ分、上型はおゆまる1個分じゃ足りなかったか・・・。


3回目:型取り治具を 3D プリント


上下型を組み合わせた時に、空気と余分のレジンが抜けていく道が必要だ。上下型を作るときに、間に何かを挟み込んでおけば、レジンを流す時に穴になってくれるはず。

色々考えて、L2K Adapters を参考に、まず、上型を作るときの治具を作ってみた。

上型作成用治具

中央の軸の十字形が潰れてしまっているけど、軸が嵌ってキーキャップを固定出来るように、+の形にしてある。これにキーキャップを載せる。

上型治具にキーキャップを載せたところ

ここでのポイントは、キーキャップの下に坂を作ってあるところと、周囲のマーカーを1つだけ円形から四角形に変えて、組み合わせの方向を間違えないようにしてあること。

ここにおゆまるをグイグイ押し付けて、今回は上型を先に作る。前回の反省をもとに、おゆまるを2個使って分厚くした。

上型(おゆまる2個使用)
治具を外すと?

治具プレートを外したところ

ふむふむ。よしよし。ここに、抜け穴を作るために、2つ目の治具を載せる。

抜け道用治具(上型の坂に合わせ、四辺と四角にスキマが開くようにしてある)

これは、先の上型のキーキャップの下の坂に合う形をしており、かつ、キーキャップの底面外形を一回り小さく縁取っている。そのため、底面の四辺と、四角のどこからも、空気とレジンが抜けるようになっている。と、言葉で説明するよりも、見た方が早い。

これを裏返しにして、先の上型に組み合わせる。

2つ目の治具を載せる。キーキャップの底面の外周をわずかに覆っている。

この上に、下型用のおゆまるを押し付けていく。もちろん、軸部分は爪楊枝でグニグニする。

下型おゆまるを押し付けたところ

こうして出来た上下型。前回、前々回よりも、全然それっぽくてよい感じだ!
型取り完了〜

これにレジンを流し込んで、上下型を組み合わせる。

流し入れたレジンが角の穴から見える

だけどしかし、日の当たるところに置いておいたけど、曇りのためか、レジンの硬化不良であえなく失敗・・・。軸部分のレジンが全く固まっていなかった!

硬化していなかった軸・・・。

日光頼りなので仕方ない・・・。UV ランプ買うか?いや、まだそこまで本格的にやるか分からないから、まだ天気頼みでいこう。


4回目:晴れの日に再チャレンジ!


前回の型には硬化しなかったレジンが残っていたのもあり、型から作り直して再チャレンジ。

型取り完了〜

そして、丸一日太陽に当てたけど、硬化はイマイチ。側面の一部が薄くなっている。おゆまるが分厚過ぎたか?

ダイソーの UV レジンを使用

また、今回からダイソーの UV レジンを使ってみた。こちらは速乾タイプではない、通常のクリアタイプのもの。硬化も遅く、硬化後も若干ビニールっぽい柔らかみが残るようだ。粘度はキャンドゥのものよりも低く、しばらく待っていると気泡が浮いてくるので、気泡の対処はしやすいかも知れない。


5回目:クリアおゆまるとシリコン型


行く先々で百均があると、とりあえず入ってクラフトコーナーを物色してしまう週末の日々。

別の店舗へ行ったら、透明のおゆまるがあった!これなら、おゆまるが多少分厚くても、紫外線がより届くに違いない!!

あと、下の型が角っこがおゆまるでは中々うまく取れないので、セリアのシリコン材も入手してきた。

クリアおゆまるとシリコンで型取りして、レジンを注入した後

シリコンだと、流石に下型はとても綺麗に取れた。でも、不透明なためか、真上から光を当てたつもりだったけど、軸部分は全く硬化しなかった・・・。

角がうまく取れないおゆまる型(左)と、レジンが硬化しなかったシリコン型(右)

不透明シリコンで硬化しなかった軸・・・。

透明シリコンに行くか・・・?いや、もう少しおゆまるで粘ってみよう。


6回目:クリアおゆまる下型


前回の反省をもとに、下の型をクリアおゆまるで何とか作る。3回ぐらい作り直して、ようやく何とか軸も作れた!

何度か作り直して、ようやく角っこもそこそこ取れたおゆまる下型でレジン硬化

下型を作る時には、おゆまるを一度では中々うまく埋められないので、少し入れては、キーキャップごとお湯の中に放りこんで、ゆでるぐらいの勢いが必要だった。

下型を作るのは大変だけど、ようやくそれっぽいキーキャップを作れた!


7回目:軸の高さを低くする


これまでは、SA R1 キーキャップの軸を 8mm に書き換えてプリントしていたのだけど、今回、改めて NiZ の軸受けの深さを測ってみると、4.5mm しかなかった・・・。

8mm にしていたのは、背の高いキーキャップは軸を高くするものだと勝手に思っていたからで、でもそもそも軸受けに入らないなら意味がない。下型を作る難易度を無駄に上げていただけだった・・・。もし Artizan キーキャップを作るなら、むしろ軸は低くして、キートップ部分を大きくした方がよさそうだ。

そこで、軸を 5mm に低くして 3D プリントし直した。これにより、下型作成も容易になるので、SA R1 と SA R2 の両方を作ってみた。

SA R1 型(左)と SA R2 型(右)

硬化後に型を外したところ

今回は、ダイソーの速乾タイプの UV レジンを使ってみた。速乾タイプだと硬化も早く、硬化後の硬さもより硬いようだ。

バリ取り後(赤は前回のもの)

クリアレジンを塗ると、透明度が増してすごく綺麗。でも匂いがきつい・・・。

表面にクリアレジンを塗ると、透明感が出てくる

しかし、粘度が高いためか、モタッとしか塗れておらず、表面の凹凸が激しいので、ここは今後何とかしたい。


8回目:同じ型で2度目の成形


前回の型に、残っていたレジンを流し込んでみた。

同じ型を使って2度目の硬化

だがしかし!既に2回目にして、軸にバリが!

軸にバリが!

型は劣化するのか・・・。量産は量産で難しいようだ(汗)


まとめ

いや〜、キーキャップを作るのがこんなに大変だとは・・・。キーキャップって高いわ〜って思ってたけど、そんなことは全く無かったようだ。次は透明シリコンに行くか、とりあえず UV ランプを手に入れるか、あるいは2液レジンを試してみるか・・・。


参考サイト