2020年3月15日日曜日

おゆまるでキーキャップを作ってみた




キーキャップの 3D プリント


先々週ぐらいに

KeyV2: Parametric Mechanical Keycap Library

という OpenSCAD で書かれたキーキャップライブラリを知り、試しに SA プロファイルのキーキャップを印刷してみたら、その重厚感と背の高さに「これはよい!」と思って、アルファベットと数字キーぐらいは、全部 SA プロファイルにしてみたくなった。

Drop で SA プロファイルのキーキャップセットがちょくちょく販売されているけど、結構な値段がするので、買おうと思ったことはなかったけど、いざ触ってみると、欲しくなる・・・。

しかし、実際に 3D プリントをしてみると、なかなかどうして、軸の部分の印刷が難しい。3D プリンタの設定を変えたり、軸のサイズを微妙に調整したりしてみたけど、

  • 軸部分の壁が薄くなり過ぎて、スライス後に軸が2つに別れる(※)
  • 壁を厚くするために、軸を太くすると、スイッチの軸受けに入らない
  • 十字穴を小さくしても、軸受けに入らない

という結果。

(※)後に、github の  KeyV2 のソースコメントを見てみると、軸部分が2つに別れるのは、実は意図的だったらしいと判明・・・。

そこで、軸が2つに別れない程度に太めに作っておいて、ヤスリで一つ一つ、スイッチに入るように軸を削る、という作業を行った・・・。

だけど、ミシッと音がしたな、と思ったら、スイッチに入れる前からもげたり、あるいは、無理に押し込んだ軸を抜こうとする時に根元で折れてどうしようもなくなる、といったことが後を絶たない・・・。

ミシッといったと思ったら、パキッともげる軸

もげて取り出せなくなった軸(左下)

これはやってられん!と思って、キーキャップの自作について調べてみたら、100均で揃うもので、複製ができるらしいと分かり、早速やってみた。これなら1つちゃんとしたキーを印刷して作れば、あとは量産出来るはずだ!?


1回目:まずやってみる!


とりあえず、近所のキャンドゥでおゆまるとクリアタイプの UV レジンを買ってきた。

そして、3D プリントした SA R1 キーの軸に、熱湯で柔らかくなったおゆまるを爪楊枝でグニグニ入れて、下の型を先に作る。上下の位置合わせが出来るように、爪楊枝を押し付けて、下型の表面を凸凹にもしてみた。

その後に、別の色のおゆまるを溶かして、上の型を作った。

おゆまるでのキーキャップ作りは、指先の火傷との戦いだ(笑)

黄色の下の型をまず作り、次に緑の上の型を押し付けて作成

冷やして固まった型を取り外すために、型をクルクル回しながら、少しずつグイグイ動かして、ちょっとずつ外していく。動画でこの作業を見たときは、何してるんだろう?と思ったけど、自分でもやってみてその理由が分かった(笑)ちょっとずつ剥がしていく感じ。

意外に軸の部分も千切れたりしないで、ちゃんと綺麗に抜けてくるから面白い。

次に、軸の部分とキートップの角っこがちゃんと出来るようにと思って、下の型には一杯まで、上の型には 1/4 程度レジンを流し込んで、日光で硬化させた。

下型にたっぷりと、上型に少しレジンを流して日光で硬化

これが固まったら、上型にさらにレジンを流し込んで、下型と組み合わせて、再び硬化させる。

硬化後。レジン入れ過ぎではみ出ている・・・。

そして、型を外す。この時も、型を回しながら、少しずつグイグイ外していく。

型から取り出したところ

バリが大量だ(笑)しかも側面の下 1/3 辺りという中途半端なところから、波打つようにバリが出まくっている。

裏側を見てみると、側面に大きな気泡があるのと、軸の底にも気泡があったみたいで、軸の底が欠けている。


裏側。大きな気泡が目立つ。軸も微妙〜

なるほど〜。下型が側面にはみ出るように作ってしまうと、上下の合わせ面がキーキャップの側面に出来てしまい、バリが側面から生えるようにできてしまうらしい・・・。

あと、軸には爪楊枝を使って丹念にレジンを流し入れたつもりだったけど、不十分だったようだ・・・。


2回目:下型は側面にはみ出ないように!


ということで、下型が側面にはみ出て行かないように、小さく作り直してみた。

青の下型が側面にはみ出ないようにした。緑の上型は薄過ぎた(汗)

下型を作る際に、おゆまるをキーキャップに押し付けると、横にはみ出ていくので、それを手前に丸める感じで引き戻す。何回かやって、ようやくこんな感じに出来た。

下型が綺麗に出来た!?

下型に前回の残りの青レジンを入れてみると、どう見ても上型には足りない感じだったので、赤レジンに切り替えた。100均の 4g のレジンだと、SA キーキャップ 1.5 個ぐらいがせいぜいのようだ。

出来上がりを見てみると、

気泡が目立つ(青レジンが途中で尽きたので、上型は赤レジン)

側面のバリは期待通りに無くせたようだ。だけど、気泡については、前回よりもむしろ酷い。

そうか、上下の型を密閉してしまっているから、型を組み合わせる時に、よっぽどうまくやらないと、気泡が残るらしい・・・。

あと、緑の上型のキートップ部分が薄くて、キートップが変形していた(汗)下型が下に引っ込んだ分、上型はおゆまる1個分じゃ足りなかったか・・・。


3回目:型取り治具を 3D プリント


上下型を組み合わせた時に、空気と余分のレジンが抜けていく道が必要だ。上下型を作るときに、間に何かを挟み込んでおけば、レジンを流す時に穴になってくれるはず。

色々考えて、L2K Adapters を参考に、まず、上型を作るときの治具を作ってみた。

上型作成用治具

中央の軸の十字形が潰れてしまっているけど、軸が嵌ってキーキャップを固定出来るように、+の形にしてある。これにキーキャップを載せる。

上型治具にキーキャップを載せたところ

ここでのポイントは、キーキャップの下に坂を作ってあるところと、周囲のマーカーを1つだけ円形から四角形に変えて、組み合わせの方向を間違えないようにしてあること。

ここにおゆまるをグイグイ押し付けて、今回は上型を先に作る。前回の反省をもとに、おゆまるを2個使って分厚くした。

上型(おゆまる2個使用)
治具を外すと?

治具プレートを外したところ

ふむふむ。よしよし。ここに、抜け穴を作るために、2つ目の治具を載せる。

抜け道用治具(上型の坂に合わせ、四辺と四角にスキマが開くようにしてある)

これは、先の上型のキーキャップの下の坂に合う形をしており、かつ、キーキャップの底面外形を一回り小さく縁取っている。そのため、底面の四辺と、四角のどこからも、空気とレジンが抜けるようになっている。と、言葉で説明するよりも、見た方が早い。

これを裏返しにして、先の上型に組み合わせる。

2つ目の治具を載せる。キーキャップの底面の外周をわずかに覆っている。

この上に、下型用のおゆまるを押し付けていく。もちろん、軸部分は爪楊枝でグニグニする。

下型おゆまるを押し付けたところ

こうして出来た上下型。前回、前々回よりも、全然それっぽくてよい感じだ!
型取り完了〜

これにレジンを流し込んで、上下型を組み合わせる。

流し入れたレジンが角の穴から見える

だけどしかし、日の当たるところに置いておいたけど、曇りのためか、レジンの硬化不良であえなく失敗・・・。軸部分のレジンが全く固まっていなかった!

硬化していなかった軸・・・。

日光頼りなので仕方ない・・・。UV ランプ買うか?いや、まだそこまで本格的にやるか分からないから、まだ天気頼みでいこう。


4回目:晴れの日に再チャレンジ!


前回の型には硬化しなかったレジンが残っていたのもあり、型から作り直して再チャレンジ。

型取り完了〜

そして、丸一日太陽に当てたけど、硬化はイマイチ。側面の一部が薄くなっている。おゆまるが分厚過ぎたか?

ダイソーの UV レジンを使用

また、今回からダイソーの UV レジンを使ってみた。こちらは速乾タイプではない、通常のクリアタイプのもの。硬化も遅く、硬化後も若干ビニールっぽい柔らかみが残るようだ。粘度はキャンドゥのものよりも低く、しばらく待っていると気泡が浮いてくるので、気泡の対処はしやすいかも知れない。


5回目:クリアおゆまるとシリコン型


行く先々で百均があると、とりあえず入ってクラフトコーナーを物色してしまう週末の日々。

別の店舗へ行ったら、透明のおゆまるがあった!これなら、おゆまるが多少分厚くても、紫外線がより届くに違いない!!

あと、下の型が角っこがおゆまるでは中々うまく取れないので、セリアのシリコン材も入手してきた。

クリアおゆまるとシリコンで型取りして、レジンを注入した後

シリコンだと、流石に下型はとても綺麗に取れた。でも、不透明なためか、真上から光を当てたつもりだったけど、軸部分は全く硬化しなかった・・・。

角がうまく取れないおゆまる型(左)と、レジンが硬化しなかったシリコン型(右)

不透明シリコンで硬化しなかった軸・・・。

透明シリコンに行くか・・・?いや、もう少しおゆまるで粘ってみよう。


6回目:クリアおゆまる下型


前回の反省をもとに、下の型をクリアおゆまるで何とか作る。3回ぐらい作り直して、ようやく何とか軸も作れた!

何度か作り直して、ようやく角っこもそこそこ取れたおゆまる下型でレジン硬化

下型を作る時には、おゆまるを一度では中々うまく埋められないので、少し入れては、キーキャップごとお湯の中に放りこんで、ゆでるぐらいの勢いが必要だった。

下型を作るのは大変だけど、ようやくそれっぽいキーキャップを作れた!


7回目:軸の高さを低くする


これまでは、SA R1 キーキャップの軸を 8mm に書き換えてプリントしていたのだけど、今回、改めて NiZ の軸受けの深さを測ってみると、4.5mm しかなかった・・・。

8mm にしていたのは、背の高いキーキャップは軸を高くするものだと勝手に思っていたからで、でもそもそも軸受けに入らないなら意味がない。下型を作る難易度を無駄に上げていただけだった・・・。もし Artizan キーキャップを作るなら、むしろ軸は低くして、キートップ部分を大きくした方がよさそうだ。

そこで、軸を 5mm に低くして 3D プリントし直した。これにより、下型作成も容易になるので、SA R1 と SA R2 の両方を作ってみた。

SA R1 型(左)と SA R2 型(右)

硬化後に型を外したところ

今回は、ダイソーの速乾タイプの UV レジンを使ってみた。速乾タイプだと硬化も早く、硬化後の硬さもより硬いようだ。

バリ取り後(赤は前回のもの)

クリアレジンを塗ると、透明度が増してすごく綺麗。でも匂いがきつい・・・。

表面にクリアレジンを塗ると、透明感が出てくる

しかし、粘度が高いためか、モタッとしか塗れておらず、表面の凹凸が激しいので、ここは今後何とかしたい。


8回目:同じ型で2度目の成形


前回の型に、残っていたレジンを流し込んでみた。

同じ型を使って2度目の硬化

だがしかし!既に2回目にして、軸にバリが!

軸にバリが!

型は劣化するのか・・・。量産は量産で難しいようだ(汗)


まとめ

いや〜、キーキャップを作るのがこんなに大変だとは・・・。キーキャップって高いわ〜って思ってたけど、そんなことは全く無かったようだ。次は透明シリコンに行くか、とりあえず UV ランプを手に入れるか、あるいは2液レジンを試してみるか・・・。


参考サイト




2020年3月2日月曜日

自作キーパッドのトッププレートをアルミ板に換装

赤のアルマイト加工を業者さんに発注

またしてもド初心者の失敗談。

Topre クローンの NiZ のパーツを使ってエルゴノミック配列の Realforce クローンキーボードを作ろうと試行錯誤している。(6)トッププレート編 では、NiZ スイッチのハウジングのツメの高さに合わせると、トッププレートは 1.6mm 厚のPCB でもなく、1.2mm 厚のPCB でもなく、1.5mm 厚ちょうどが必要だと分かった。


アクリル板?


それで、まずはアクリル板はどうだろうと思って探してみだけど、キャスト材というより硬めの素材だと、2mm 厚か 3mm 厚のものしか見当たらない。

1.5mm 厚だと、押出し材という、ちょっと柔らかめで多少クニャッと曲がってしまう素材になるようだった。

東急ハンズには、1.5mm 厚の硬いアクリル板も売っていたけど、色が無色透明のクリアしかなかったので、ちょっと地味になるかな?と思ってスルー。派手さも欲しいらしい(笑)

NiZ (Topre)スイッチだと、スイッチはトッププレートとボトムプレートで挟まれているだけなので、より重みのある打鍵感を得るには、トッププレートの剛性が重要だと思われる。

そこで、アクリル板の次は、アルミ板を探してみた。


アルミ板!


アルミ板もレーザー加工してもらえるらしい。1.5mm 厚の板もごく一般的らしい。

ということで、早速何社かに見積もりを出して、勢い余って2社に発注!

A5052 1.5t のアルミ板を 100mmx100mm のサイズでレーザー加工をお願いする。金額は、送料・税込みで、どちらも 5,000 円前後。

データは KiCad から DXF か PDF で出力する。ここで2つ注意点があった。

1つ目は、DXF へのエクスポート時には、"Plot graphic items using their contours" のチェックを外しておかないと、すべての Edge.Cuts が微妙に大きい外回りと、小さい内回りの、二重に出力されてしまう。

"contours" のチェックを外し、単位を mm に変更する

そして、2つ目の注意点は、出力の単位を mm にしておくこと。

デフォルトではインチになっていて、業者さんによっては、スケールは何ですか?と聞かれました。10cm 角の大きさだから、DXF にはインチでおおよそ 4 という大きさになって入っており、「4mm角だと小さ過ぎて作れません」と言われたり(汗)

他にも、B2B のやり取りってこんなにも素っ気無いものなのか?、と普段の通販時の一連のメールに比べると、とても素っ気なさ過ぎて驚いたけど、1週間ほどで両方届いた。


表面研磨!?


届いた2枚のアルミ板(表面)

裏面(裏面は製造工程上、傷が多くなるそうです)

2つの業者さんから届いたアルミ板を見てみると、右の方の表面は、ヘアライン加工というものらしい。細かい縦の線状模様になっている。

一方、左の方は、表面が白く塗装されている??

後から考えたら、そんな事ある訳ないんだろうけど、右も左も分からないばっかりに、「これは自分で研磨して白い塗装を剥がしなさいということなのか!?」と勝手に勘違いをして、慌てて Amazon で耐水ペーパーやらコンパウンドやらを注文・・・。

んで、磨いてみると、なんか様子が違う。表面の白いところから、黒っぽい何かがボロボロと剥がれてくる!?どうやらビニールのシートが貼られていただけのようだ(滝汗)

普通にビヨーンと剥がせました。。。保護シートなのだろうか?!剥がしてみると、こちらも表面はヘアライン加工だったのに、無駄にその一部を耐水ペーパーで傷つけてしまった。。。

仕方がないので、そのまま 2000 番の耐水ペーパーで磨き、最後はコンパウンドで磨いてみた。しかも、コンパウンドはサランラップで磨くと良いらしい?!ということで、早速やってみたら、ほんとに早い!!

左のアルミ板の表面を磨いてテカテカになった(右は何もしていない元のまま)

これで結構ピカピカになり、自分の顔が映って見えるぐらいの鏡面になった。

キーキャップの裏側が無駄に映り込んでいる

う〜ん、だけど、別にピカピカじゃなくてもいいんだよね、今回は流れ?でこうなってしまったけどさ。。。

ということで、次はこれに塗装することを考えてみた。


スプレー塗装


アルミ板はそもそも塗装しても剥がれやすいらしい。そのため、アルミ板専用のカラースプレーというものが販売されているようだ。今回は、つや消しの黒色を購入した。

スプレー塗装もほぼ初めて。子供の頃にプラモにやってみたことがあるけど、スプレーをかけ過ぎてダレた上に、全然色が乗らなくて、一度で諦めた記憶。。。

今回の下地処理としては、800 番の耐水ペーパーで磨いてみた。せっかくのサランラップ鏡面よ、さようなら!

800番で磨いた後(磨き足りない部分は、塗料ものりにくかった)

ベランダが汚れないように、段ボールで囲いを作り、その中にプレートをぶら下げて、透明のビニールの袋にスプレー缶も入れて閉じた状態で、スプレーすることにする。

アルミ板は針金をねじ穴にひっかけてぶら下げている

1回目は、満遍なくスプレー出来てるか気になり、思わず長めに吹き付けてしまった。ダレていた。色もちゃんと乗ってない。ダメだ、このままでは、小学生の時の二の舞だ(笑)

とりあえず乾くのを待つ。2回目はダレないように、シューッと一通り吹き付けて終わりにする。

そして乾くのを待って確認。おお〜っ、一応全体に色がついて、ぽくなってきた!でもフチの方はまだ塗料があまり乗っていない。

そうか、満遍なく吹き付けているつもりだけど、実際には角度が広がっておらず、真ん中あたりにしか塗料を吹き付けれていないらしい。

そこで、3回目は、何も考えずに、ただ大きく左右に動かしながら、シューーーッとやっておしまい。

3回塗りの後(側面は塗料がのっていないらしい)

塗装後の表面

 思ったよりも、表面は綺麗に出来て満足!小学生の自分よりは成長したらしい(笑)側面には全然塗料が乗っていないけど。

裏面(凸凹があったので、ちょっと爪で引っ掻いてみた)

一方、裏面はちょっとした凸凹を爪でこすってみたら、早速剥がれました(笑)

アルミ板って、こんな感じなんだなぁ。もうちょっと頑張って、下地処理でちゃんと磨いた方がよかったようだ。

黒に塗り直したトッププレートで組み上げ


アルマイト加工


さて、もう一枚の、まだダメにしてないアルミ板はどうしようか?そう思って検索すると、色を付けるにはアルマイト加工というものがあるらしい。これはかなりカッコよさそうだ!

早速4社に見積もりを出した。こちらもピンキリだけど、結局送料込みで 3,000 円ちょいの業者さんに発注。

アルマイト加工の DIY キットも販売されているけど、鍋2つに数アンペア流せる直流電源とか、希硫酸使うとかで、自分にはかなり敷居が高い・・・。最終的に、フルキーボードの大きさの1枚板を茹でれる鍋ってデカすぎないか?と考えて、この道は進まないことにした。


届いたアルマイト加工後のアルミ板。良き。

それなりに金額がかかるけど、でもとても綺麗な仕上がりにご満悦。


ハウジングの取り付け


さて、NiZ ハウジングは 1.5mm 厚のアルミ板に綺麗にはまるのか?

はまった!ハウジングをグッと押し込むと、パチパチっとツメがかかる音がする。

遊びのある 1.2mm 厚 PCB の時の、カチッ、ではなくて、ちょうどの厚みのパチパチ音!

1.5mm 厚アルミ板に取り付けられた NiZ ハウジング

しかし、こうして写真で拡大して見てみると、ほんの少しはツメが浮いているようだ。


まとまらない感想


ということで、まあ色々あったけど、最後には剛性高し、色味よし、厚みぴったりのアルミ板トッププレートに換装できて嬉しかった♪





2020年2月19日水曜日

エルゴノミック Realforce を作ろう(6)トッププレート編

前回(3x4+1 キーパッド編)までは、どちらかというと、静電容量無接点スイッチの押下検出回路について書いてきた。そして、それも前回でひと段落したので、今回はトッププレートについての試行錯誤を書いてみる。


3x3 トッププレート


NiZ 製ハウジングに付いているトッププレートへの引っ掛かりのツメの高さは 1.5mm なのだけど、まぁ、1.6mm PCB でも何とかツメがかかったりしてくれないかな?と甘い期待をして、あまり深く考えず、1.6mm 厚の PCB で発注した。

ただ、多少でも厚みが出ないようにと思って、裏面は銅箔もレジストも無しにしてみた。こういう時は、「片面」の PCB を指定するようだ。いつも通りに「両面」設定で注文してしまっていたので、発注直後に pcbgogo からツッコミが入り、修正して注文し直した。

そして、届いた基板にハウジングを取り付けてみると、案の定、ツメが微妙なところでかからない・・・。

ハウジングの右手前の真ん中にあるツメが押し込まれていて出ていない

ハウジングをプレートに嵌めても、ぐにゅっと入るだけで、ツメがカチッとは言わない。

そこで、ツメがかかるところをヤスリで少しだけ削ってやると、かかるようにはなった。

ツメが出ている(レジストを削るのはいかにも残念だと思ったので、裏面のツメが当たるところを削ってみた)

トッププレートが厚くてツメがかからなくても、ハウジングの固定自体には支障は無い。だけど、キーを底打ちした時に、微妙にトッププレートに近過ぎるのか、打鍵感があまりよくない気がする。

また、低頭とは言え、ネジをハウジングのギリギリに寄せたのはまずかった。底打ち時にキーキャップがネジに当たってしまい、カチャカチャ音がすることがある。底打ちすると、キーキャップは結構下まで降りることが今さらながら分かった・・・。

ネジはハウジングギリギリに寄せたので、上から見ると、キーキャップとかぶっている

トッププレートを裏返すとこんな感じ(手持ちで写しているのは、そうしないと、ラバードームとバネがキーキャップに押されて浮いてしまうため)。

下段の紫ラバーが左下と右下のネジにかかってしまう

ラバードームがネジにかかっていて、ネジを締める時に挟み込んでしまう。。。そういう意味でも、ネジはキーキャップにかぶらない方が良い。

ちなみに、上段左の2個が NiZ のラバードームで、その右端と中段は Realforce、下段はその後買ってみた BKE のラバードーム(だけど、BKE のタクタイル感はあまり自分の好みではなかったので、最終版では使わないことにあっさりと決定・・・)。

あと、BKE のラバードームは、厚みが微妙に分厚いようだ。スペーサのサイズの選び方に違いが出てきそうだ。

BKE(紫)はピッタリだけど、Realforce(灰)と NiZ(乳白)は少し浮いている

また、しっかりとハウジングを固定するには、トッププレートの締め付けが大事なので、大きさ優先で M2 ネジにしていたけど、M2 では心許ない気がする。


3x3 での教訓


  • 1.6mm PCB は分厚すぎて、ハウジングのツメがかからない
  • ネジは低頭でもキーキャップにかぶらないようにすること
  • あと、M2 ネジでは固定が弱いかも


4x4トッププレート


そこで、4x4 キーパッドでは、ちょうど Realforce の中古品を手に入れたのもあり、

  • 1.2mm PCB
  • M3 ネジを使う
  • M3 ネジがキーに干渉しないように配置
  • NiZとTopre キーを半分ずつ

という仕様にした。ハウジングの穴の大きさは、NiZ が 14x14mm で、Topre が 14x14.6mm になっている。

左手前 2 列が 14x14mm の NiZ 用で、奥の右側 2 列が 14x14.6mm の Topre スイッチ用

1.2mm PCB だと、さすがにツメはかかる。ハウジングを嵌めると、早々にカチッと言うけど、スキマがあるので、少し動かすことができる。これもネジで締めれば、ハウジングの固定自体に問題はない。

ツメの下に少し(0.3mm)のスキマが出来ている

ネジもキーキャップから離したので、押下時にも干渉しない。

上面では、ネジはキーキャップから離れている

裏面でも、ネジはラバードームに干渉しない(ラバーは上段から NiZ, BKE Light, BKE Ultra Light, Realforce)

ネジは M3 にしたので、頑丈感もある。しかし、トッププレートと下の回路基板のネジ穴を、どちらも同じ φ3.2 にしておいたら、片方にネジを取り付けて、もう片方の板にはめこもうとすると、微妙にネジが引っかかる。どうやら、どちらも φ3.2 というのはギリギリ過ぎるようだ。少し遊びがあった方がよかった。

それとあと、横から見ると、微妙に PCB がたわんでいる気がする。真ん中あたりが膨らんでいるような?

微妙だけど、膨らんでいる?

正面から見ても、やはり真ん中辺りが膨らむようにたわんでいる気がする

4x4 ともなると、4 隅の 4 ヶ所のネジ止めだけでは足りないようだ。2 列に 1 つはネジを配置して、たわみが出ないように、しっかりと固定しておきたい。

最後に、3x3 でも 4x4 でも、トッププレートと回路基板の間に 5mm のスペーサを挟んでいたのだけど、これはちょっと高過ぎたようだ。ハウジングとラバードームの間にスキマが空いている。

ラバードームの厚みとスキマ
紫の BKE Ultra Light だとちょうどよさそうだけど、最終的には、右端の乳白色の NiZ を使おうと思っているので、もう少し低くした方がよさそうだ。


4x4 での教訓


  • トッププレートのネジ穴径は、回路基板と同じだと少し狭くて引っかかる
  • トッププレートのたわみを減らすために、ネジが多めに必要
  • スペーサの高さは、NiZ 製ラバードームには、5mm だと高過ぎる


3x4+1 トッププレート


上記の 4x4 の教訓をさらに踏まえ、3x4+1 キーパッドでは、

  • トッププレートのネジ穴は φ3.4 にする
  • ネジをなるべくたくさん配置する
  • スペーサは 4.5mm にして、0.2mm 厚や 0.3mm 厚のワッシャで調節する

という改善を入れた。

組み立ててみると、トッププレートのネジ穴を広げたので、ネジはすんなりと通った。

ネジ穴をたくさん用意したけど、とりあえず 6 カ所をネジ止め

とりあえず 4 隅と中程の 6 カ所をネジ止めして、横から見てみた。

若干のたわみもあるかもしれないけど、しっかりとした固定感がある

スペーサは 4.5mm に変えて、0.2mm のワッシャを一つ挟んでいる。これでちょうどよさそうだ。

また、今回は LED を付けるために、ラバードームを NiZ のもので統一している。トッププレートを裏返すとこうなっている。

回路を接続して右の基板の丸いところを指で触ると、タッチセンサとしても機能する

組み立てながら気づいたのは、スペーサは、まずトッププレートにネジで取り付けて、それから回路基板をネジで取り付けた方がよい。ラバードームと円錐バネは、上のようにトッププレートをひっくり返してハウジングに載せておき、その上へ回路基板を裏返して載せた状態で、最後にネジを取り付けた方が楽だからだ。なので、ネジ穴を広げておくのは、トッププレートではなくて、下の回路基板の方が適切だった。


3x4+1 での教訓


  • ネジ穴を φ3.4 にするのは、トッププレートではなくて、回路基板の方がよい


まとめ


では、最後に、今回得られた知見をまとめておきたい。

  • トッププレートの厚みについて、
    • 1.6mm PCB は分厚すぎて、ハウジングのツメがかからない
    • 1.2mm PCB だとスキマができるけど、ハウジングの固定に支障はない
  • ネジは低頭でもキーキャップにかぶらないようにすること
    • キーキャップはトッププレート直近まで降りてくる
  • ネジは M3 程度の大きさにして、ハウジングをしっかりと固定できるようにする
  • ネジ穴径は、ネジをトッププレート側に先に取り付ける前提で、以下のようにする
    • トッププレート: φ3.2
    • 回路基板: φ3.4
  • トッププレートのたわみを軽減するために、ネジはキーの 2~3 列/行に1つは欲しい
  • スペーサの高さは、NiZ 用には、4.5mm とし、0.2mm 厚のワッシャで調整する

ちなみに、3x4+1 トッププレートについては、この後 1.5mm 厚のアルミ板でも作ってみたので、また別途報告したい。